夏になると飲みたくなるのがアイスコーヒーですよね。
実はアイスコーヒーは、世界中でさまざまな飲み方をされています。
その中には、日本発祥の飲み方もあるんですよ。
ここでは日本発祥のアイスコーヒーと、海外でのアイスコーヒーについて紹介します。
アイスコーヒーについて、詳しく学んでみましょう!
日本のアイスコーヒーのはじまりは?
アイスコーヒーがはじめて登場する文献は、1891年(明治24年)に雑誌編集者の石井研堂さんが書いた『明治事物起源』です。
『明治事物起源』は、当時の文化、交通、法律、暮らしなどがたくさん紹介されています。
この本には「珈琲の始」という項目がありますが、アイスコーヒーは登場しません。
アイスコーヒーが登場するのは、「氷屋」という項目の中。
氷みかん水、氷白玉、氷汁粉とともに、「氷コーヒー」という名前でアイスコーヒーが紹介されています。
氷コーヒーとは
当時は、コーヒーを瓶に入れて井戸水につけて冷やしたものを「氷コーヒー」と呼んでいたようです。
コーヒーに氷を入れるのではなく、瓶のまま冷やすので味が薄くなることもありませんでした。
アイスコーヒーが喫茶店に現れるのは大正時代
大正時代になると、喫茶店に「冷やしコーヒー」というメニューが登場します。
コーヒーを氷で薄めず冷やす方式のアイスコーヒーは、日本発祥と言えそうです。
世界のアイスコーヒーの発祥は?
コーヒーを氷で薄めずに冷やすアイスコーヒーは日本発祥と考えられますが、アイスコーヒーに似た飲み物はそれより前から飲まれていました。
氷で薄めるアイスコーヒーのはじまり
アイスコーヒーのルーツだと考えられているのは、アルジェリアで生まれたマサグランという飲み物です。
マサグランは、コーヒーを氷で冷やし、砂糖やリキュールを入れた飲み物です。
1800年代のアルジェリアは、フランスに植民地支配されていました。
このときマサグランを飲んだフランス人が、本国に紹介したようです。
マサグランはコーヒーに氷を入れ、アルコールも入れています。
日本発祥のアイスコーヒーとは作り方が全く違います。
水出しコーヒーのはじまり
アイスコーヒーの作り方では、水出しコーヒーも有名です。
水出しコーヒーは、コーヒーを水に浸して抽出します。
水出しコーヒーが生まれたのは、17世紀はじめのインドネシアです。
当時オランダの植民地だったインドネシアでは、苦み・エグみの強いロブスタ種のコーヒー豆が栽培されていました。
ロブスタ種のコーヒーはオランダ人の口に合わなかったため、おいしいコーヒーを抽出する方法として考え出されたのが水出しコーヒーです。
水出しでコーヒーを淹れることで、ロブスタ種の独特な苦みや雑味を抑えることに成功しました。
考案したのがオランダ人だったため、水出しコーヒーはダッチコーヒーとも呼ばれます。

ダッチは「オランダの」という意味です
海外でのアイスコーヒーは?
ここでは海外でのアイスコーヒー事情を紹介します。
アメリカでは2000年代からアイスコーヒーが飲まれるように
アメリカでは2000年ごろまで、アイスコーヒーはほとんど飲まれていませんでした。
2000年ごろからスターバックスやマクドナルドがアイスコーヒーを提供するようになったため、現在ではアイスコーヒーも人気があります。
海外でのアイスコーヒーの呼び方は?
アイスコーヒーという呼び方は和製英語です。
英語ではiced coffeeかcold brew coffeeと呼びます。
アイスコーヒーは国によって異なる
アメリカでアイスコーヒーを注文すると、コーヒーに氷を入れて薄めたものが出てくることが多いようです。
ドイツやオーストラリアでアイスコーヒーを注文すると、アイスクリームや生クリームが乗ったコーヒーが出てくることも。
マレーシアやベトナムでは、コンデンスミルク入りのコーヒーが出てきます。
日本のアイスコーヒーに近いものが飲みたいときは、cold brew coffeeを探しましょう。
日本生まれのアイスコーヒーもある!
氷で薄めたり、水出ししたり、アイスコーヒーはさまざまな飲み方で楽しまれています。
その中でも、コーヒーを水で冷やすアイスコーヒーは日本生まれの飲み方です。
アイスコーヒーを飲むときは、アイスコーヒーの歴史にも思いをめぐらせてみましょう。

